『神はこれらすべての言葉を告げられた。(出エジプト20:1新共同訳)』
『恐れるな、わたしはあなたと共にいる。わたしは東からあなたの子孫を連れ帰り 西からあなたを集める。北に向かっては、行かせよ、と 南に向かっては、引き止めるな、と言う。わたしの息子たちを遠くから 娘たちを地の果てから連れ帰れ、と言う。(イザヤ43:5-6新共同訳)』
シナイ契約は、当時の政治的な契約形式である宗主権契約を採用しています。しかし、当時の政治体制は偶像崇拝的要素を含んでいるものが多かったので、シナイ契約では、それをすべて排除しています。この契約によって、創造主である神はイスラエルの民を正式な契約関係へと招かれたのです。
宗主権契約とは、王と征服された民との間で結ばれる契約を指します。
つまり、創造主である神は、王としてイスラエルの民を選び、征服し契約を結んだということです。
その内容ですが、まず、この契約を結ぶ王の名が記されます。その名は「エロヒム」つまり、創造主である神「ヤハウエ」、唯一の神を意味しています。
また、この契約を結ぶに至った歴史的経緯が記されます。アブラハムをイスラエルの民の祖として選び出し、アブラハム、イサク、ヤコブの神であるが、人生のトリセツとして、選んだ民に示した基本的原則なのです。
さらに、両者が同意する条項は、第1戒から第4戒は、神と人との関係です。その中の最重要条項は「ヤハウエが唯一の神」であると言うことです。
第2戒では、「偶像をつくるな」と命じられています。この本質は、真の礼拝を教えているのですね。人間の性質は、カタチあるものに、目も心も奪われる弱さがあります。「貪りが偶像崇拝(コロサイ3:5)」と示されているように、カタチが無くても、神の御心に叶わないような望みは、そのものが偶像であるという意味ですね。
第3戒では、「御名は実体」であり、神の本質や尊厳や性質を引き下げてはいけないことを示しています。この部分を恐れて曲解したために、ユダヤ人は、「ヤハウエ」と発音しない選択をし、受け継がれているのです。その本質は、発音してはいけないという意味ではありませんでした。
第4戒は、「安息日」に対して示されています。これは、休みが無い奴隷の生活から解放され自由の民となった記念なのです。人間は、病的なほど働きづめな人やそうしないと生きていられないという人もいます。でも、イスラエルの民は、エジプトでの奴隷生活から解放されたのですから、それを自覚し満喫できるようになったのです。身体と精神を休める安息は効果絶大です。しかし、それを理解して実践できる人はどれ程いるのでしょうね。
安息日に関しては、今の時代は復活の記念日を日曜日と定めて、日曜礼拝を行うケースが多いです。
また、様々な状況から、週に一回、自分で曜日を定めて行っているケースもあります。
主の御前で、霊の糧を定期的に味わうことが一番大切なのですね。