『恋愛のために出世をすべて犠牲にするのは、痛ましくも英雄的である場合もあるが、愚行であろう。だが、出世のために恋愛をすべて犠牲にすることも同じく愚行で、けっして英雄的ではない。バートランド・ラッセル『結婚と道徳」』
人生の分かれ道にさしかかったときに、究極の決断を迫られるというパターンですね。
「竹を割ったような性格」の人は、どちらを選択しても、後悔はしないだろうと想像してしまいます。
でも、実際には、どうなのでしょうね?
このフレーズで気になる所は、「英雄的」という言葉です。
ここから想像すると、その人は、ある程度、知名度がある立場の人なのかも知れませんね。
もう一つ、「愚行」という言葉も気になります。
これに込められた気持ちとは?
「どちらかだけにするのは、モッタイナイ」という気持ちが溢れて流れてくるイメージを感じます。
今の時代、日本社会でも、正社員同士の結婚が増えています。
一方、「一人だけでも、生活がままならないのに結婚なんて以ての外」などとの声も聞こえてきます。
でも、一度きりの人生、決断したら走り続ける方が懸命という考え方が増えているようにも感じます。
ただし、当事者は大変です。
周囲の協力が、適度に得られる人は、超ラッキーです。
家族の健康が維持できている間は、なんとかできますが、誰かが体調を崩したときには、あらゆる負担ドミノがやってきます。
その様な時の対処も心得ておく必要があるのです。
これは、仕事も、結婚も、家族もある「持てる人の悩み」です。
「持てる」という事に幸せを感じる人と、嘆く人との分かれ道も存在するのですね。
世の中の大半の人は、「英雄的」に振る舞う必要はありません。
恋愛でも出世でも、その現実に向き合う覚悟こそ大切なのではないでしょうか?
重要なのは、周囲との調整をして、自分自身で決断するということでしょうね。
「A」か「B」かと聞かれたら「どちらも」と答えるのには、覚悟もいることです。
人生をふり返った時に、様々な想いが去来するのは当然です。
しかし、後悔をしても、過去は変えられません。
それも含めて、より良い決断をしていきたいと考えています。