『すべての人は、万人が平等で独立しているのだから、誰も他人の生命、健康、自由あるいは所有物を損ねるべきではないということがわかるのである。なぜなら人間は皆、唯一全能でかぎりない知恵を備えた造物主の作品だからである。 ジョン・ロック「統治論(中央公論新社)」』
一人一人の自立を促すフレーズです。
その締めくくりが、「人間はみな創造主である神【主】の作品」なのだからと言うのは、私にはしっくりきました。
人間は、母胎で育まれ、産み出されます。その瞬間から、母子一体が解消され、一人の人間として生きるコトになります。
どのような出自でも、家庭の経済状態がどうであっても、存在として独立していて、万人は平等です。
現代社会は、民主主義を装っていても、資本主義に翻弄され、民意が反映されることが稀になってきました。
この傾向は、万人の平等の原則が適用されていないという嘆かわしい状況になっています。
ですから、「他人の生命、健康、自由あるいは所有物」を搾取したり、脅迫したり、強奪したりという現象が起きているのです。
このようなフレーズがなくても、それをしてはいけないというのは理解されているはずです。
でも、どこかネジが外れていて、おかしな世の中になっています。
その結果、貧富の格差が広がり、持たぬものはその日の食事にも困窮し、持てるものの中の一部には、さらに搾取するために勤しんでいる構図が浮かび上がります。
この流れを修正しようとの動きもあるようですが、それまで、いのちを保てるかというサバイバルゲームが展開されていると言えるのではないでしょうか?
人間は、何らかの経済的手段が必須ですが、ギリギリからマイナスではナカナカ生活の改善は見込めません。
ギリギリから少しでもプラスを目指せるプランを得られれば、ほんの少しでもゆとりを得ていける可能性が大きくなります。
貯金がゼロという人も珍しく無いようですが、せめて100万円程度の貯金があると、ゆとりの感じ方も違うようです。
自立し、尊厳のある生き方をするためにも、創造主である神【主】の作品として、自信を持って自分にできるところで励みたいと考えています。
ジョン・ロック(John Locke、1632年8月29日 - 1704年10月28日)は、イギリスの哲学者。哲学者としては、イギリス経験論の父と呼ばれ、主著『人間悟性論』(『人間知性論』)において経験論的認識論を体系化した。また、「自由主義の父」とも呼ばれ[2][3][4]、政治哲学者としての側面も非常に有名である。『統治二論』などにおける彼の政治思想は名誉革命を理論的に正当化するものとなり、その中で示された社会契約や抵抗権についての考えはアメリカ独立宣言、フランス人権宣言に大きな影響を与えた。