『上手に逃げよう。 山下清』
放浪の画家として、今日でも著名な山下清さんです。
私は、ドラマの印象が強く、おにぎりが大好きな古びたリュックを背負ったおじさんというイメージですね。
作品の展示も拝見しましたが、貼り絵の風合いは、そこにずっと佇んでいたいような気持ちが出てくるような作品でした。
その作品の背景には、「裸の大将放浪記」がリアルドキュメントとしてあったのですね。
東京の浅草に生まれ、千葉県にいたと思ったら、約10年かけて、鹿児島まで放浪をしていたとのことです。
才能の赴くままに、旅を続けたというイメージです。
奥の細道を記した松尾芭蕉や水戸黄門などの諸国漫遊などが、多くの人を魅了するように、放浪の画家も、多くの人が感じたい、しがらみから解放された自由を得られる疑似体験ができるからなのかも知れませんね。
山下清さんは、人に気付かれるのが堅苦しくなるので、嫌だったのでしょうか?
一人の芸術家として、自然や風景に触れながら、作品に情熱を注ぎ込める環境にこそ、最大の魅力だったのだろうと、私は考えています。
彼が逃げたかったのが、何からなのかは、定かではありませんが、恐らく、「しがらみ」ではないでしょうか?
ドラマを見ていると、その当たりが浮き彫りになっていて、毎回、上手に逃げていたようですね。
人生の中で、「逃げる方が良いこと」と「逃げない方が良いこと」を自分なりに考えていく必要を感じています。