『11:27 そのころ、預言者たちがエルサレムからアンティオキアに下って来た。
11:28 その中の一人で名をアガボという人が立って、世界中に大飢饉が起こると御霊によって預言し、それがクラウディウス帝の時に起こった。
11:29 弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援の物を送ることに決めた。
11:30 彼らはそれを実行し、バルナバとサウロの手に託して長老たちに送った。 使徒の働き11:27-30新改訳2017』
新改訳2017では、アンティオキアと表記されています。しかし、よく使われる「アンテオケ」も同じ意味ですので、ここでは、どちらの表記も混在しますので、ご了承ください。
そのころとあるのは、バルナバがサウロを招いた一年後(AD44年頃)事と言われています。
エルサレムから預言者たちが来ました。そもそも、預言者とは、神の啓示を受け取り、民に伝える役目の人です。
ここで、名前が出てくるのが、アガボという人です。それは、大飢饉についてでした。それは、あやふやな予測ではなく、神の真理が伴っていると言うのが預言です。
アンテオケは裕福な教会でした。一方、エルサレム教会は、貧しい教会で、しかも、AD44年頃は、経済的にもどん底だったと言われています。
アガボの預言で、エルサレム教会のサポートのための準備がはじまりました。
エルサレム教会へのサポートは、アンテオケ教会の一人一人が、自発的にそれぞれの財力に応じてささげたことでしょう。
これを、バルナバとサウロが運ぶ事になったのです。
ヨセフスが記述した歴史伝承によると、AD44年~49年にかけて何度かの飢饉があり、その中でも、AD46年が一番厳しかったとあります。
その一番厳しいときに、エルサレム教会へのサポートが行われました。
その頃、エルサレム教会界隈では、使徒ヤコブの死であったり、御使いによる出獄などがありました。
困窮が著しいタイミングで、アンテオケ教会の支援金は、バルナバとサウロによって、届けられたのです。
それを受け取ったのは、エルサレム教会の長老たちです。教会の成長の流れは、使徒中心から、長老中心へと移行したのは、聖書の中では、この箇所からです。
イスラエルに限らず、ユダヤ人の成年男子が10人いれば、シナゴーグが建てられ、目に見える形のコミュニティーがありました。初期の伝道スタイルは、シナゴーグで福音を語りました。そして、教会の形式もシナゴーグの長老制に学んだ形式になっていったというのが、自然な流れだったのでしょう。
この起点を生かし、福音の伝達は、エルサレム教会からアンテオケ教会に伝わりました。
そして、アンテオケ教会が成長し、母教会へ支援をおくるほどになったのです。
また、アンテオケ教会は、ユダヤ人と異邦人と創造主である神【主】との関係を示すモデルとなりました。
それが、後の世界宣教に繋がる形式のモデルになったのです。
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