このフレーズは、トルストイ自身の葛藤から出てきたもののように感じます。
それは、彼自身が思想家であり、表現者だったからです。
また、非暴力主義者という立ち位置は、貫くにも並大抵の努力を必要としたのではないかと推察します。
日本でも、トルストイの影響を受けた人が、数々見受けられ、賀川豊彦もその一人とされています。
さて、このフレーズの「犠牲と苦悩」という言葉に凝縮された要素は、非常に重たく感じます。
何かを生み出す過程で、葛藤は付き物です。
また、様々な障壁も出てきます。
犠牲とは、一心不乱に打ち込めば、周囲のことなどに関心を払えずに、孤立する懸念もあります。何よりも、何を捨てても、芸術に、あるいは、創作に向き合うという意志を持ち、その覚悟が必要というコトでしょうか。
苦悩とは、どのように表現するかなども含めて、その悩みは尽きることが無いでしょうね。
想像を絶するほどの経験を当事者はしているのでしょうけれど、それらは、読者には伝わってこないのかも知れませんね。
また、「運命」という言葉を使っているのは気になります。
運命とは、自分の努力では変えられない領域を感じさせるからです。
凡人を自認する人は、才能に恵まれている人を羨む気持ちを持ちます。
でも、才能に恵まれている人の心中を計り知ることはできないのですね。
才能がある故の葛藤もあるのではないでしょうか?
これは、持てるものの悩みですね。
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(露: Лев Николаевич Толстой [ˈlʲef nʲɪkɐˈla(j)ɪvʲɪtɕ tɐlˈstoj] ( 音声ファイル), ラテン文字表記:Lev Nikolayevich Tolstoy, 1828年9月9日〔ユリウス暦8月28日〕 - 1910年11月20日〔ユリウス暦11月7日〕)は、帝政ロシアの小説家、思想家。
フョードル・ドストエフスキー、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪。他の同姓の人物と区別して「大トルストイ」と呼ぶこともあるが、単にトルストイと表記した場合でも、レフ・トルストイを指すことが多い。
英語では名はレオ(Leo)とされる[注釈 1]。
代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた。非暴力主義者としても知られる。