『7 しかし、千年が終わると、サタンはその牢から解き放たれ、
8 地の四方にいる諸国の民を、すなわちゴグとマゴグを惑わすために出て行き、戦いのために彼らを召集する。彼らの数は海の砂のようである。
9 彼らは地の広いところに上って行き、聖徒たちの陣営と、愛された都を包囲した。すると天から火が下って来て、彼らを焼き尽くした。
10 彼らを惑わした悪魔は火と硫黄の池に投げ込まれた。そこには獣も偽預言者もいる。彼らは昼も夜も、世々限りなく苦しみを受ける。 ヨハネの黙示録20:7-10新改訳2017』
サタンの反乱について(7-10)
千年王国は、サタンが幽閉されていて、人間の罪の性質に対する働きかけがないので平和な時代が1000年間続くのです。
しかし、その最後に、サタンが底知れぬ所から再び解き放たれます。
その理由は、再び人類を試すためです。
それを通じて、創造主である神【主】は、人類がいかに堕落しているかを証明されます。
千年王国にも罪は存在するのです。
そもそも、千年王国が始まった時点では、不信仰者は存在しません。大患難時代を通過した肉体的生命にある信仰者が千年王国に入ることができるからです。
千年王国では、ほぼ理想に近いような生活環境が実現します。
でも、その子孫として新しく誕生した人たちの中に不信仰者が出てくるのです。
そして、千年王国の終わり近くには、信仰を持っていない人々の数が増加します。それらの人々を試すために、サタンが解き放たれるのです。
野に放たれたサタンは、世界の諸国民を惑わします。
1000年間幽閉されていても、サタンの性質は変わらず、欺きと偽りの業を行うのです。
「ゴグとマゴグ」は、その惑わしが広範囲に広がることを表わしています。
サタンに従う罪人(不信仰者)たちの数は、海辺の砂のように多くなります。
この戦いは、エゼキエル戦争(エゼキエル38:1-39:16)に似ています。エゼキエル戦争は、大患難時代の直前に起こりますが、ここに書かれた戦いは、千年王国の最後に起こります。
その共通点は、イスラエルの民への攻撃がその内容なのです。ここでは、「ゴグとマゴグ」という言葉が比喩的に用いられています。
サタンと異邦人の軍勢は、イスラエルの民に攻撃をしかけます。反乱軍に従う人たちの「原罪」がサタンに同調し、【主】に向かわせるのです。
その向かう先は、エルサレムです。そこは、1000年間の平和が実現したキリストによる統治の本丸です。
しかし、そこに到達したサタンとその軍勢は、突如降ってくる天からの火で焼き尽くされるのです。即座にキリストは、その反乱を鎮圧するのです。
サタンは、「火と硫黄の池」に投げ込まれ、そこで永遠の苦しみを受けるのです。
そこには、獣(反キリスト)もにせ預言者も、ともにいて、悪霊どもも、「火と硫黄の池」に投げ込まれます(マタイ25:41)。
千年王国の期間、悪霊どもはバビロンとエドムの2箇所に閉じ込められます(ヨハネの黙示録18:2、イザヤ34:8-16)。
『24 それから終わりが来ます。そのとき、キリストはあらゆる支配と、あらゆる権威、権力を滅ぼし、王国を父である神に渡されます。
25 すべての敵をその足の下に置くまで、キリストは王として治めることになっているからです。
26 最後の敵として滅ぼされるのは、死です。
27 「神は万物をその方の足の下に従わせた」のです。しかし、万物が従わせられたと言うとき、そこには万物をキリストに従わせた方が含まれていないことは明らかです。
28 そして、万物が御子に従うとき、御子自身も、万物をご自分に従わせてくださった方に従われます。これは、神が、すべてにおいてすべてとなられるためです。 1コリント15:24-28新改訳2017』
すべての敵が、キリストの支配に服すようになります。最後の敵は、サタンではなく、死なのです。千年王国でも死は存在するのです。
人類に死をもたらした張本人は、サタンです。そのサタンが滅びたとき、死もまた滅ぼされるのです。
そして、御子キリストは、御国を父なる神にお渡しになるのです。その理由は、キリストの支配は、すべての敵が滅びるまでと決められているからです。
こうして、「神がすべてにおいてすべて」となられるのです。