『男は妻や愛人が嫌いになると、逃げようとする。だが、女は憎い男には仕返ししようと、手元に抑えておきたがる。 シモーヌ・ド・ボーヴォワール』
男と女の差はあるのでしょうね。
ただし、性格による差はあるように感じます。
人間の対応は千差万別ですが、ボーヴォワールは、当時の世の中をこのように感じていたのですね。
「執着心」というワードも浮かびます。
相手に対しての関心があるからこそ、一緒に居ようと思ったのでしょうから、憎い男といっても関心はあるのですね。
利害関係の相違が出てきたり、全く興味がなくなったりすれば、一緒に居るメリットはなくなるわけですからね。
手元に置いておく理由が、仕返しなのか、お返しなのか、果たして恩返しなのか?
人によっては、「地獄のような気持ち?」かも知れないと想像します。
愛憎と考えれば、なるほどですね。
「愛」を感じて関係を築いてみても、コインの反対側は「憎」ですからね。
「憎い」と感じたときに、関係性が変化するのは理解できます。
「愛」の反対に「憎い」が潜んでいるように、「好き」の反対は「嫌い」でもあるのですが、それ以上に、拒否反応が出ると「無関心」になってしまいます。
ですから、ボーヴォワールのフレーズの範囲では、相手に関心がある関係性が維持できていたのでしょうね。
生涯のパートナーのサルトルは、憎い男だったのでしょうか?
本音の部分では、お二人は、どのような関係性だったのか気になる所です。
シモーヌ・ド・ボーヴォワール (Simone de Beauvoir、1908年1月9日 - 1986年4月14日) は、フランスの哲学者、作家、批評家、フェミニスト理論家・活動家である。20世紀西欧の女性解放思想の草分けとされる『第二の性』(1949)、ゴンクール賞を受賞した自伝小説『レ・マンダラン』(1954) など多くの著書を残した。主要著書はほとんど邦訳されている。