「引っ越しました。ぜひ、一度遊びに来て下さい。」という手紙をもらったら、あなたはどうしますか?
日本社会のおつき合いは独特な距離感があると感じています。
日本生まれ、日本育ちの私がそう思っているのですから、外国から来た人が戸惑うのは当然ですよね。
もちろん、相手との親密度によるのですが、これにも、お互いに温度差があるものです。
お互いが不快にならない程度の距離感で、おつき合いができるのが良いようですね。
対人関係を構築する達人(Sさん仮名)がいます。
Sさんは、乗り物で隣席になった人でも、気さくに話をしながら、関係を構築して行くというのです。
でも、なぜか? 1時間くらい経つと「けんか」をしてしまうのだとか。
これを聞くと、「対人関係を構築する達人といっても、けんかをしたら、そこで気まずくなるのではないだろうか?」と感じる人が多いと思います。
でも、どうやら自分自身の意見をハッキリと言って線を引くから、けんかになるのだそうです。
何も、殴り合いをするわけでは無いのです。
Sさんにとっての「けんか」は、コミュニケーションの1つの手段だそうです。
どうやら、自分の許容範囲を示し、相手の許容範囲を探るという、利害関係の調整をしているようなのです。
それは、「けんか」ができるほど親密な間柄に、短時間でなれるという事だったのです。
さて、冒頭の一文ですが、呼びかけられたのだから、訪問してみようと考える人でも、アプローチは様々です。
ある人は、自分の都合だけで、突然、訪問することもあるでしょう。
また、慎重な人は、相手の都合や反応を探りながら、訪問するのかも知れません。
どちらにせよ、お互いに大丈夫で、楽しい時間を共有できるのなら、問題は無いのです。
愛想笑いをしながら、苦行の時間を過ごすのは、その後に良い影響を与えません。
それぞれの生活のペースがあり、お互いの都合を探っていくと、案外、共有できる時間が少ないケースもあります。
そこまで、貴重な時間なら、どのように大切に使うかを慎重に考える必要がありますね。
あの人と、また、一緒に過ごしたいと、思えるような関係を積み重ねていきたいと考えています。