いつも繋がっていたいという願望をよく聞く時代です。
手をつないでいれば、同じ空間を共有しているのですが、その相手の心中は、知る由もありません。
蜜月の相思相愛であれば、それも甘い一時なのでしょうね。
しかし、いつまでも続かないのが世の常です。
手をつないでいても、身体を密着していても、自他境界線は存在し続けます。
その、自他境界線の認識も、それぞれで異なるという現実にも、直面することでしょうね。
それは、他人格は「決して一つにはなれない」という現実です。
誰もが、母胎の中で羊水に包まれ、やがて、産み出されて、赤ちゃんから育ってきたのです。
その中で、母と子の自他境界線が明確になってきました。
それは、否定できなない事実です。
また、成長するにつれ、親にベッタリとくっついていた子は、自分の世界観を持ち、個人として自己確立をしてきたのです。
最近、反抗期を感じさせない親子関係を見るようになりました。これは、一見、羨ましくもあり、万事良好にも見えるのですが、様々な要因を内包しています。
また、子どもの自立を願う気持ちから、18歳になると自宅から独立させようと、躍起になっている保護者もいます。
どちらが正解なのかは、答えがありません。
でも、人生で一番大切だと感じる要素はあると私は考えています。
それは、自己確立です。
そのステップは、「自己受容」を通じて、等身大の自分を受け入れる所から始まります。
自己確立は、「自分は一人でも存在として大丈夫」という要素です。
それが、あってこそ、他人との良好な関係性を構築していけると考えています。
自他境界線に、距離や壁(カベ)は付き物です。
これは、個人の防衛ラインでもあるからです。
これを理解した上で、お互いに適切な関係性を探ることで、より良好な繋がりを築いていくことができるのです。
これは、友人・知人関係だけではなく、親子でも大切なのですね。