『17 あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、足りないものは何もないと言っているが、実はみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸であることが分かっていない。18 わたしはあなたに忠告する。豊かな者となるために、火で精錬された金をわたしから買い、あなたの裸の恥をあらわにしないために着る白い衣を買い、目が見えるようになるために目に塗る目薬を買いなさい。(黙示録3:17-18 新改訳2017)』
目先のお金に目を眩まされている可能性を指摘されています。
ラオデキヤの街は、金融や繊維(布・上衣)、製薬で潤っていました。
ですから、見かけはお金持ちで立派な紳士・淑女が集う教会だったことが窺えます。
黒羊の繊維で織りなした上衣は、非常に高価で、富の象徴の一つだったようです。今の時代でいう所の「ハイブランド」ですね。
外見は、ステキだったのです。今の時代も、その様な傾向を感じます。
ハイブランドの衣装に宝飾品、さらに、高級車で、ビジネスの鎧ができるのです。もちろん、外見も大切なのですが、それよりも大切な要素があります。
【主】は、ラオデキヤの人々の内面を見ておられました。
それが、それぞれの霊的貧しさで「みじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸である(17)」と記されています。
短い文章の中に、巧みな表現が為されています。
それは、ラオデキヤの産業である金融、繊維、そして、製薬に、なぞらえられています。
それは、内面、つまり、「霊的状態」に対する軌道修正の提案です。
金融で潤っている富の使い方であり、霊的な裸を覆う衣についてであったり、霊的洞察力を磨くために必要な目薬などです。
「金」に関しては、神の義であり神の栄光を表す本物の信仰を示されています。
霊的状態を改善するためには、義の衣が必須です。この代価は、十字架上でメシアであるイエス・キリストがすでに支払い済みです。その値で、信仰を持って、感謝をして受け取ればよいのです。
さらに、「目薬」の話題を出しながら、霊的洞察力について、表現されています。
この地には、ギリシャの名医神を祭った「エクスピアス神殿」があり、そのシンボルは、今日のWHOで採用されている、杖に蛇が巻き付いてのぼっているものです。当時の目薬は、軟膏だったようですが、それは、この地の名物でもあったのです。乾燥して、砂埃が舞い上がる土地柄、目薬が重宝されたといわれています。
しかし、物理的な視力回復ではなく、ここでのオススメは霊的洞察力です。
そのために、表面上の外見への注目から、霊的な内面を見るようにという「悔い改めによる転身」が為されているのです。
このオススメは、今の時代にも共有される内容です。
「誰がどうか」ではなく、自分自身についての「霊的洞察」の必要性を指摘されているのですね。