『努力は幸福を手に入れる手段ではなく、努力そのものが幸福を与えてくれるのである。 トルストイ『ことばの日めくり』(女子パウロ会)』
最近、どちらが先か? という問いが増えているように感じます。
このトルストイのフレーズも、その類いだと感じます。
人間は、「幸福になりたい」とか、「幸福でなければ人生ではない」という、それぞれの理想が偶像化しているようなニュアンスさえ広がっています。
小さい頃からお受験して私立に入れば、エレベータ式の道が開けるとか。
東大に入れば、官僚になれて、一生安泰、しかも、天下りまですれば、一般人の2倍以上の年収を軽々得ることができるという流布まであります。
そのように、誰かに敷かれたレールに、乗っかって努力を重ねて、その通りになった人もいます。しかし、ほんの一握りでは無いでしょうか?
でも、大切な何かが欠落した人生に、後悔としても、後の祭りです。
誰の人生にも、後悔が無いわけではありません。
しかし、幸福の実感がないのは、非常に残念です。
また、誰かのせいにしても、責任転嫁をしているだけで、何の解決にもなりません。
冒頭のフレーズは、多くの人が誤解している「努力は幸福を手に入れる手段」という順序に疑問を呈しています。
本当は、「努力そのものが幸福を与えてくれる」という本質をトルストイは、すでに発見し、わかっていたのでしょう。
目の前の何かに、コツコツ励む努力こそ、すでに、幸福だと言うのでしょうね。
幸せは、遠くにあるのではなく、もうすでに、自分の腕が届くところにあるというリフレーミングのアドバイスなのです。
努力するのも、奥深く、根気も必要です。努力も一つの大きな才能なのですね。
レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(露: Лев Николаевич Толстой [ˈlʲef nʲɪkɐˈla(j)ɪvʲɪtɕ tɐlˈstoj] ( 音声ファイル), ラテン文字表記:Lev Nikolayevich Tolstoy, 1828年9月9日〔ユリウス暦8月28日〕 - 1910年11月20日〔ユリウス暦11月7日〕)は、帝政ロシアの小説家、思想家。
フョードル・ドストエフスキー、イワン・ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪。他の同姓の人物と区別して「大トルストイ」と呼ぶこともあるが、単にトルストイと表記した場合でも、レフ・トルストイを指すことが多い。
英語では名はレオ(Leo)とされる[注釈 1]。
代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』など。文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた。非暴力主義者としても知られる。