『5:25 そこへ、ある人がやって来て、「ご覧ください。あなたがたが牢に入れた者たちが、宮の中に立って人々を教えています」と告げた。
5:26 そこで、宮の守衛長は下役たちと一緒に出て行き、使徒たちを連れて来たが、手荒なことはしなかった。人々に石で打たれるのを恐れたのである。
5:27 彼らが使徒たちを連れて来て最高法院の中に立たせると、大祭司は使徒たちを尋問した。
5:28 「あの名によって教えてはならないと厳しく命じておいたではないか。それなのに、何ということだ。おまえたちはエルサレム中に自分たちの教えを広めてしまった。そして、あの人の血の責任をわれわれに負わせようとしている。」
5:29 しかし、ペテロと使徒たちは答えた。「人に従うより、神に従うべきです。
5:30 私たちの父祖の神は、あなたがたが木にかけて殺したイエスを、よみがえらせました。
5:31 神は、イスラエルを悔い改めさせ、罪の赦しを与えるために、このイエスを導き手、また救い主として、ご自分の右に上げられました。
5:32 私たちはこれらのことの証人です。神がご自分に従う者たちにお与えになった聖霊も証人です。」 使徒の働き5:25-32新改訳2017』
サンヘドリンは、イスラエルの最高機関です。70人議会とも言われ、強大な実権を持っていたのです。
彼らは、使徒たちを留置場から連れ出した、創造主である神【主】の御手を感じながらも、一歩たりとも引けない状況にいました。
そこに、「ご覧ください。あなたがたが牢に入れた者たちが、宮の中に立って人々を教えています」と密告が届きます。
サンヘドリンは、宮の中で教えている使徒たちを穏便に、議会へと連行します。これは、使徒たちの話を熱心に聞く民衆への配慮し、慎重に行動したのです。
さあ、いよいよ最高法院での裁判がはじまります。
大祭司が、使徒たちに尋問をします。
「あの名によって教えてはならないと厳しく命じておいたではないか。」とは、ナザレのイエスの御名を口にしたくない大祭司の歪曲表現です。
さらに、「何ということだ。おまえたちはエルサレム中に自分たちの教えを広めてしまった。」と続けます。
使徒たちの教えは、あっという間に、エルサレム中に広まっていたのです。
そして、サンヘドリンは「あの人の血の責任をわれわれに負わせようとしている。」と使徒達に、迫ります。
でも、使徒たちは、「人に従うより、神に従うべきです。」と真っ向から返答します。
「私たちの父祖の神は、あなたがたが木にかけて殺したイエスを、よみがえらせました。」と事実を述べ、「神は、イスラエルを悔い改めさせ、罪の赦しを与えるために、このイエスを導き手、また救い主として、ご自分の右に上げられました。」と続けます。
「私たちはこれらのことの証人です。神がご自分に従う者たちにお与えになった聖霊も証人」であると締めくくります。
使徒たちは、悔い改めにより【主】による罪の赦しが与えられると証言していたのです。
しかし、サンヘドリンは、これを理解できず、「あの人の血の責任をわれわれに負わせようとしている」としか考える事ができなかったのです。 今日でも同じ構図があるのです。
