『人は生きたように死んでいく。 by 島﨑今日子』
樹木希林さんの最後の一年のドキュメンタリー番組を見てのコラムに書かれていた一文です。
映像作品がきれいに残るようになった時代です。
少し前のドラマや映画を見ていて、故人が生き生きと演技をしていますから不思議です。
でも、俳優さんは、配役を与えられて、それを演じていくという役割ですから、その人個人のパーソナリティは分からない(見えない)役者さんもいますね。
それを考えると、樹木希林さんは、特異の役者さんだったのでしょうね。
娘夫婦と二世帯同居され、夫婦は別居生活で、それでも、家族として生きていくのだという強い意志と努力が、画面越しに垣間見えました。
娘夫婦の世帯にブラリと「うちだ家政婦紹介所からまいりました。」といって現れて、食後の皿を婿と肩を並べて洗ったという話もオープンにするほど、隠し事の少ない方だというイメージを受けました。
全身転移したがんを受け容れて、彼女なりのポリシーを貫き、精一杯生きられたのですね。
肉体的生命の幕引きは、自分では決められない要素が多いですね。
いつか、その肉体的生命のせかいのおわりの門をくぐるのです。
生きていて良いという安心感(平安)と自分が肉体を脱いだ後たどり着くパラダイス(希望)をイメージして、今日を生きたいですね。